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7 鍼の種類
古代九鍼
- 破る(切開する)鍼:?鍼(ざんしん)、ハ鍼(ひしん)、鋒鍼(ほうしん)
- 刺入する鍼:毫鍼(ごうしん)、長鍼(ちょうしん)、員利(円利)鍼(いんりしん、えんりしん)、大鍼(だいしん)
- 刺入しない鍼:?鍼(ていしん)、円(員)鍼(いんしん、えんしん)
- ?鍼
- 長さ一寸六分。鍼頭が大きく、鍼尖が鋭く、浅く刺して切りながら頭身の皮膚(皮膚の表面)にある遊走性の邪熱(陽気(熱))を瀉す。皮膚の白いところには用いてはならない。
- ハ鍼
- 長さ四寸、廣二分半。劍にのっとり鍼尖が剣峰のようになっている。ようなどを切開して大膿を排除する。
- 鋒鍼(三稜鍼)
- 長さ一寸六分、鍼尖が矛のように鋭利で絮にのっとり、筒状から先が鋒で刃三隅なので三ツ目錐(三稜)と呼ばれる。頑固な痛み、しびれ、できもののあるとき、手足末端の経穴や局所の刺絡・瀉血に使う。
- 毫鍼
- 長さ一寸六分(三寸六分の説あり)。毫毛にのっとり、鍼尖がきわめて細く蚊や虻の喙(口先)のようになっていて、静かに刺入し、目的の深さに達したら浅く長時間鍼を留め寒熱や痛痺(痛み、しびれ)をとる。刺手で持つ鍼柄(竜頭)の部分と人体に刺入する鍼体の部分に分けることができる。また鍼体の鍼柄との境目を鍼根と呼び、鍼先を鍼尖(穂先)と呼ぶ。
- 長鍼
- 長さ七寸。鍼尖が矛のように鋭くオビヒモにのっとり、鋒は細く尖り身は薄い。深い慢性の邪や?をとる。
- 円利(圓利)鍼
- 長さ一寸六分。牛の尾にのっとり、太さが馬の尾の毛ぐらいで丸く鋭く中程はやや太めで急激な?(痛み、しびれ)に深く刺入して用いる。
- 大鍼
- 長さ四寸。鍼尖が棒のようで先が少し鈍で鋒にのっとり、杖のように先が少し丸い。関節に水がたまり腫れているところを瀉す。
- ?鍼
- 長さ三寸半。鍼尖(鋒)が粟・きびにのっとり、粟粒状になって少し尖っている。皮膚に刺入することなく手足末端近くの経脈(穴所の脈)を按じて血気を補ったり、邪気を瀉したりする。按じる時は肌肉を強く抑えてはならない。
- 円(圓)鍼
- 長さ一寸六分。絮にのっとり、筒状で鍼尖(鋒)が卵のように丸く皮膚を抑えさすることにより分肉の間(浅いところにある肉の割れ目)にある邪気を瀉す。肌肉を損傷することなく滞っている血気を流通させる。
日本で使われている鍼
その他の鍼
- 巨鍼
- 火鍼(燔鍼)
- 挫刺鍼
- 血鍼
- 気鍼(挟気鍼)
- 寛鍼
- 穿横鍼
材質
- 金鍼
- 金を含んだ鍼。柔軟性・弾力性に富み、刺入時の刺痛が少ない。腐食しにくい。しかしながら、高価であり耐久性に劣る。
- 銀鍼
- 銀を含んだ鍼。金鍼と同じく柔軟性・弾力性に富み、刺入時の刺痛が少ない。金鍼に比べると安価である。しかしながら、酸化しやすく、腐食しやすい。耐久性に劣る。
- ステンレス鍼
- 鉄にクロムやニッケルを混ぜてさびにくくした鍼。刺入しやすく折れにくいが刺痛が発生しやすい。腐食しにくい。安価である。しかしながら、他と比べ、柔軟性・弾力性に劣る(固い)。
安全面と安価な面でステンレスのディスポーザブル(使い捨て)鍼が多く使われている。またディスポーザブルでない場合もステンレス鍼が多く使われている。オートクレーブによる消毒の徹底が必要である。